病院やクリニックで受付・会計の仕事はイメージが沸くけど、それ以外の仕事はどんな内容なの?
医療事務の仕事に興味があって、就職も考えているから詳しく知りたい!!
こんな悩みを解決します!
私は医療事務の専門学校卒業後、病院の医療事務スタッフとして勤続15年目になりました。
勤務先は入院施設もある中規模な病院のため、医療事務課のなかでも仕事内容によって部署が分かれています。
15年間様々な部署で仕事を経験しました。
実務経験がある私が仕事内容について詳しく解説しますので、医療事務の仕事に興味がある方!参考にしてみてください。
医療事務の仕事内容は大きく分けて3つ!
・病棟クラーク
・レセプト業務
それぞれの仕事内容について詳しく説明します!
受付・会計業務
病院やクリニックを受診された際に一番関わるところですので、イメージしやすいと思います。
【主な業務内容】
・初めて来院された患者さんには、問診票に記載いただき、カルテを作成
・診察終了後、カルテ内の検査・診察・処方内容から診療報酬点数表をもとに算定金額を出す
・患者さんの加入されている医療保険・年齢により負担金額を計算しお会計
・患者さんからの待ち時間や診察・検査などの問合せに対応
・患者さんから病院で記載が必要な書類のお預かりや説明
・内線・外線の電話応対
“病院の顔”とも言われる受付業務。
不安をかかえて来院される患者さんが、初めて接するスタッフになるので笑顔と親切な対応が何よりも重要です!
いくら医師が丁寧でも、受付の対応が悪かったため、その病院にはもう行きたくない!と思った方もいるのではないでしょうか。
クレームや問合せを受けるのも受付が多いです。
患者さんが最も話しかけやすい、言いやすい部署になるので、患者さんの気持ちに寄り添い話を聞いたり、適切な対応を取ることが重要です。
病棟クラーク
入院施設がある病院では、病棟の窓口として患者さんやご家族の対応をします。
【主な業務内容】
・入院当日の保険証・必要書類の確認
・病室のご案内
・退院日、請求金額を診療報酬点数表をもとに計算
・お見舞いにきた方への対応
・患者さんまたはご家族からの問合せの対応
・内線・外線の電話応対
基本的には、ナースステーションや病棟内の事務室に常駐するため、看護師や薬剤師との連携は必須です。
診療報酬点数表をもとにレセプト作成・点検業務はもちろんのこと、入院されている患者さんやご家族と密に関わります。
手術を控えている方、入院が長期に渡っている方など…
患者さんは様々な不安を抱えて入院生活を送っていますので、患者さんやご家族に寄り添い笑顔で丁寧に対応することが求められます。
治療やお薬の内容など専門的なことはもちろん医師・看護師・薬剤師が対応しますが、患者さんの中には「先生や看護師さんは忙しそうで声をかけづらい…」と思ってしまう方もいますので、そんな時の「架け橋」になれるといいですね。
レセプト業務
医療機関の収益の大部分を支える非常に大切な仕事です。
【主な業務内容】
・各関係機関へ診療報酬の請求
・誤りがありで支払われなかったレセプト(返戻)の点検・再提出
・内線・外線の電話応対
レセプト業務は、医療機関の大事な収入源となるレセプトを作成し、国民健康保険や社会保険などの各「審査支払機関」に請求を行う業務です。
昨今では電子カルテの導入が進みオンラインでの請求が義務化されています。
簡略化されてきていますが、検査・診察等で電子カルテに入力すのは人間ですので、入力時点でのミスはもちろんあります。
そのまま審査支払機関に請求してしまうと、「間違えがあります」とレセプトが戻ってきます(返戻という)。
そのレセプトをチェックし直して再提出するわけです。
しかし、その間は支払いが行われませんし、作業が増えてしまうので、最初のレセプト請求の際にきちんと点検することが重要になります。
未経験の方でもレセプト請求の仕事は可能ですが、診療報酬点数を理解している必要があるため努力がいります。
また、診療報酬点数は2年ごとに改正されるため、知識をアップデートしていかなければなりません。
実はこんな仕事もある
上記で述べた大きく分けて3つの仕事内容以外にも、病院によってどこの部署が担っているか異なる仕事があります。
・保険会社に提出する書類の作成
・労災や自賠責の対応
・生活保護受給者の必要書類を市区町村福祉課へ請求
・他病院との連携(紹介状のやり取り)
・カルテの管理
規模が小さいクリニックでは、受付の方が全て担うことになります。
私の勤務先では、書類関係はレセプト業務を行っている保険課、他病院との連携は医療連携課と分かれています。
入院・手術を行っている病院では、保険会社で必要な書類や労災、自賠責が多くなるため、記載する医師の負担が減るようにサポートします。
他病院からの紹介状や他クリニックからの問合せ等に対応するための、医療連携課または地域連携室が設けられているところもあります。
予約専用のコールセンターがあったり、カルテの依頼や保管にあたるカルテ管理という部署もあります。
1日の来院患者数や入院施設の有無で、仕事の量は違えど仕事内容は変わらないでしょう!
しかし中規模以上の病院では部署が細かく分かれています。
受付業務希望で入社しても他部署に配属になることもあるので気をつけましょう!
本音で語る!実際医療事務の仕事はきつい?!
上記で述べてきたように、医療事務の仕事は多岐に渡り、病院にとっては必要不可欠です。
では実際勤務している私は医療事務の仕事についてどう感じているのか。
以下のように良い点・悪い点をまとめてみました!
医療事務の仕事の良い点
医療事務の仕事をしていて、良かったなと思う点を挙げてみました!!
・医療に関する知識が身につく
・レセプトがマスターできるとかなり重宝される
・先生や看護師から病気等の話が聞けたり、相談できる
・患者さんの助けになっているという充実感
・経験が重視されるので、産後の復帰や転職がしやすい
・多くの場合シフト制なので希望の日に休むことができる
・平日休みがある
・経験や年齢に関係なく働ける
・制服が支給される
医療事務の仕事の悪い点
仕事をしていれば、ストレスに感じることもでてきます。
リアルな声はこちらです(笑)
・高齢者の方への説明・案内が大変なときがある
・精神的に不安定な方や神経質な患者さんへの対応に気を使う
・医師や看護師とのやりとりで立場的に発言しにくい
・レセプト期間である毎月上旬が多忙
・電話でのクレーム対応もある
・外来の混雑する時期(連休前後等)は残業になりやすい
・土日出勤がある(病院による)
・昇給しづらい
患者さんからのクレームを受けやすいのは医療事務だと思います。
なんせ医師や看護師と比べたら立場が弱いからです。。
待ち時間や医師に関するクレームも受けます。
理不尽なクレームについては、上司に対応してもらいますが、病院側に非がある場合は患者さんの立場で考えて対応するようにしています。
病院によっては、土日出勤がありますが、その分平日に休みがもらえるので私は何とも思いません。むしろ電車が空いていて良いです。
・有休はとりやすいか
・ボーナスの金額(何ヶ月分?)
・福利厚生が充実しているか
・産休・育休がとれるか
上記の4つは病院・クリニックによって差があることなので、この辺りがしっかりしていると良い点に入りそうですね!!
まとめ:医療事務の仕事は多岐に渡りやりがいはある!
今回は医療事務の仕事内容についてかなり詳しく解説しました。
病院により導入しているパソコンの種類次第で受付・会計などのやり方が全く異なります。
仕事内容は学んでいけば慣れていきますが、病気で不安を抱え来院される患者さんへの対応はとても奥が深く難しいと思います。
良かれと思ってお伝えしたことが気に食わなかったり、説明も聞いてくれず後から「そんなこと言われていない!」と怒鳴られることもあります。
高齢の患者さんでは「保険証を返されていない」というトラブルなど日常茶飯事です。
病院では、普段生活していても接することは少ない方にも、対応しなければならないので精神的に辛いこともあります。
しかし、患者さんに丁寧に親切に対応していると、感謝されることも多くあります!
あなたの笑顔を見ると元気が出るのよ!とおっしゃって頂けるととても嬉しいです。
受付や会計、レセプト業務と医療事務の業務は病院にとって必要不可欠です。
働いていくうちに自然と医療についての知識も高まります。
向き不向きがある仕事だと思いますが、同じことの繰り返しではないので毎日刺激があります。
医療事務に興味がある方に、今回の記事が参考になれば嬉しいです。
おわり